サステナブルな里山農業の記憶を未来につなぐ学びの場作り

体験農園つくり ~鹿ネットを設置する~

藤倉校舎の近くに、地元の方から借り受けている斜面畑があります。周辺のネットは破れ、鹿などの野生動物たちの通り道となっており、栽培を試みた作物は獣害にさらされつづけていました。

そこで今年度NPO法人さとやま学校・東京では、地球環境基金助成事業として、この斜面畑を整備し、地域の伝統的で持続可能な里山農業を学ぶ体験農園(畑の教室)として、多くの方が体験利用できるための学びの場作りとして整備を行いました。

23年8月、地元の方とどのような農園の形にするかについて等の打ち合わせをし、まずは畑の下の崖の大きくなりすぎた灌木の伐採をしました。

木々が伐採されると、川向こうから畑の姿がよく見えるようになりました。

斜面畑から川向こう岸まで伸びる農業用ロープウェイがあります。ワイヤーを手で手繰り収穫物を運搬するものです。経年劣化で動きが鈍くなっていたため、今後体験農園にて使用していけるように籠の部分を修復してもらいました。灌木を伐採したのは、籠が木の枝が引っかかるのを防ぐためということがあったのです。

お陰様で農業用ロープウェイがとてもスムーズに動くようになりました。

まず運んだのは、石積みに使う石です。もちろん石なのでとても重いのですが、畑と川岸の両側で呼吸を合わせ少しずつ運びきると、何とも言えない達成感がありました。運んだ沢山の石は10月石積み教室で使用しました。

その後、周囲の既存ネットの取り外し作業を行いました。

体験農園として利用していくうえで最も大切なことは安全性です。斜面畑の下は大胆な崖があり川も間近な環境のため、単管パイプで安全柵をつくり、そこに鹿ネットを取り付けることにしました。柵として整備し直すために既存の単管パイプを抜き、足りない分の単管パイプを運び入れ、畑の周りを囲むように設置しなおしていきました。

その後、地元の方たちに教えてもらいながら、いよいよ鹿ネットの取り付け作業が始まりました。

周囲に設置した安全柵に合わせてポールを建てていきます。ネットがぐちゃぐちゃにならないように気を付けながら、大きなネットの束を持つ人、上・下のひもの束を持つ人、ネットを取り付けていく人、と4人がかりでポールにネットを取り付けていきました。

こちらも一度で上手くいくことはなく、たるみや足りない部分があるところを調整するため、一度つけたものを取り外してずらしていくということもありました。

この頃から、この斜面畑を見た地元の方から「獣害ネット、張ってるんだねえ」と声をかけられることが増えてきました。川向こうからよく見える斜面畑の様子を、地元の方も気にしてくれていたようです。

 

杭でネットを地面に固定し、結束バンドで固定させ、入り口も作り、ようやく鹿ネットを張り終えることができました。

細かな調整を繰り返してようやくピンと張れた鹿ネットは、汗と涙の結晶のように見えました。

そして、斜面でも使える小型の耕運機で耕し始めました。

今後この体験農園では、檜原村特産のこんにゃく、じゃがいも(在来種オイネノツルイモ)、山間部檜原村で作り食べられてきた雑穀などを栽培予定です。

檜原村藤倉で行われてきたサステナブルな農業の学びが、いよいよ、スタートします!!

そして、これから私たちと一緒に檜原村藤倉で農業体験する仲間、会員ボランティアさんを大募集中しております!

スイッチひとつで何でもできる現代では味わえない体験、自分でできることが増えていく喜びを一緒に感じていきませんか?

どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

NPO法人さとやま学校・東京

会員ボランティア問い合わせ・申し込み先→satoyamagt4818@gmail.com(担当:川上、菅原)