石積み学校in檜原村
~みんなで作り上げる! 斜面畑の石積み再生体験~
傾斜地の畑や土地を活用するために作られ、利用されてきた石積み。その技術を学びながら崩れかけた石積みを修復することで技術を継承、石積みのある風景を残していきたい。そうした思いで開催されている石積み学校in檜原村に多くの方々が参加しました。
10月15日(土)、16日(日)の2日間にわたり、合同会社ともすび、檜原村石積み合宿実行委員会共催の元、一般社団法人「石積み学校」の金子玲央先生を講師に迎え、「石積み学校」が開催されました。さとやま学校・東京が借り受けている斜面畑の崩れた石垣の改修をしました。
石積みはまず石垣を崩し、土を掘り出し、大きな石を根石にしてから、石を大きなものから積んでいきます。先生に良い置き方を教えてもらいますが、置き方を変えるのにも、ものすごい体力を要します。石を積むごとに後ろにグリ石という小さめの石をどんどん入れていきます。立体テトリスの面白さがありますが、いわゆる原始的な土木作業です。
そこには人間だけでない里山の生き物との境界線作りのような大切な要素があると感じました。土を掘り出す中で、蛇が2匹とカエルが1匹、ミミズにムカデ…土の中での生活している生き物がびっくりして顔を出しました。コンクリートで固めるのとは違い、石積みは石と石の間に隙間があることによって、空気や水が通り、土の中の環境を大きく変えることはないという建造方法であるということです。きっとびっくりして出てきた生き物たちも、また石垣の隙間暮らしに戻っていけるのではないでしょうか。
1日目に石積み作業の大半は終えていたので、2日目の昼には石積み完成です!
予定より早く終わったため、午後は講師の金子先生の「石積みレクチャー」が催されました。
石積み作業をする人が減っていき、現在は神聖化されてしまったが、昔は暮らしの中で行われていた土木作業であるということ。準備や労働力は必要だが、やり方を教われば自分たちで行えるということ。そして、そこにあるもので作れるというとても環境負荷の低い建造方法だということ。「1ぐり、2石、3に積み」、積み石の裏側に入れるグリ石が一番大事ということ。レクチャーでも参加者の方から質問が多く飛び交いました。
また、2日間とも、藤倉校舎の食堂でランチタイムをとりました。藤倉小学校卒業生でもある地元のおばちゃんたちが作った里山プレートは、元気を頂けるとっても美味しい里山ランチでした。
参加された方に「自宅や友人宅の敷地内の石垣の修復をやりたくて来ました。」という方が多くいらっしゃいました。
「今回の石積み教室を経て、ご自分たちで石積み修復を実践していかれると思います。その中で今回の石積み教室の繋がりもご縁として紡いでいけたら良いですね。」という共催であるともすびさんの言葉が印象的でした。
これからも自然の構造と人間の暮らしを学びながら、里山再生活動や石積み活動を多くの方と行っていきたいと思いました。
(菅原初芽)